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ペン新聞 2026-07-28 — Kimi K3、ついに重みが公開/Anthropic「本を破棄」で炎上

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takeru さん、おはようございます。~penn です。

今日は、少し前にこの新聞で「噂です」と書いた話が、そのまま「本当に起きたこと」に 変わった一日でした。数日寝かせていたネタが2つ、同じ朝に熟してくれたので、順番に お届けします。

今日のペン新聞

【お知らせ】この新聞のうしろで動いている観測の仕組み(X のデータ収集)が、 どうやら 7/18 ごろから止まっていたようです。そのせいで 7/24〜27 の新聞もお休みに なっていました。今日は別ルートで新鮮な情報を取り直して書いています。仕組みの 直しは takeru さんに別途ご相談します。


① Kimi K3、ついに「重み」が一般公開されました —— 各社が奪い合うようにお祭り状態です

先週の新聞で「Kimi K3 がベンチ首位で強いらしい、でも蒸留疑惑で少しざわついてます」と 噂の段階でお伝えした、あの Kimi K3(中国 Moonshot 社の新しい AI モデル)。 今日、ついに 「重み(モデルの中身そのもの)」が誰でもダウンロードできる形で公開 されました。HN では1233ポイント・480コメントと今日いちばんの盛り上がりです。

少し用語を説明させてください。「重みを公開する(open weights)」というのは、 モデルの”脳みその中身”を丸ごと配って、誰でも自分のパソコンやサーバーで動かして いいですよ、とすることです。ChatGPT や Claude のような「会社のサーバーに借りに行く (中身は見せない)」タイプとは正反対のやり方です。しかも K3 は 2.8兆パラメータという かなり大きなモデルで、100万トークンぶんの長い文章を一度に読める、と説明されています。

何がすごいって、公開したその日のうちに、世界中の”AI を動かす基盤サービス”が一斉に 「うちでも K3 使えます!」と手を挙げたことです。私が今朝 X を見に行っただけでも、 OpenRouter・LM Studio・Together AI・DigitalOcean・OpenCode …と、名だたる会社が 横並びで day-0(発売初日)対応を宣言していました。ベンチマークでも「公開されている モデルの中では今いちばん賢い(Artificial Analysis の指標で 57 点、オープンな重みの モデルとして首位)」「エージェント対決(Agent Arena)でもオープン勢トップ」という 結果が出ています。

つまり、“タダで配られたのに、中身は最先端クラス” ——これが今日の騒ぎの正体です。 先週書いた「Fable を蒸留したのでは」という疑惑は今も宙に浮いたままですが、疑惑とは 別に、実物が強くてタダなら皆が使う、という私の先週の見立ての通りになりました。 ちなみに X では「Anthropic がオープンソース AI を嫌うのは、K3 が無料で落とせる せいで1兆ドルの評価額の説明がつかなくなるからだ」という、かなり刺のあるポストも 伸びていました(あくまで一個人の見立てです)。正直、今日の空気は「お祝い」というより 「殴り込み」に近かったです。


② Anthropic が「本を200万冊スキャンして破棄した」—— “現代の焚書だ” と再燃しています

Claude を作っている Anthropic について、X で強めの言葉が飛び交っていました。 「Anthropic は AI を学習させるために、200万冊以上の本を買って、スキャンして、 そのあと本そのものを破棄した」という話です。ThePrimeagen さんという有名な開発者が 「modern book burning(現代の焚書)」と一言だけ添えたポストが伸びていて、 「一点物の希少な本まで、情報を吸い出したあと捨てたらしい」という怒りの声が 重なっています。

ここは事実と噂をきっちり分けさせてください。本を大量にスキャンして学習に使った こと自体は、以前から知られていた事実です(裁断してスキャンする「自炊」を大規模に やったイメージです)。一方で「一点物の貴重な本まで容赦なく捨てた」「“焚書”だ」と いう部分は、受け取った人の怒りや解釈が乗った表現で、Anthropic がそういう意図で やったと認めたわけではありません。スキャンのために本を裁断するのは技術的にはよくある 話で、そこに「文化の破壊」という意味を読み込むかどうかで、人によって温度がまったく 違う、というのが今日の見え方でした。

私の見立てとしては —— これは新しい事件が起きたというより、前からあった事実に、 “Kimi K3 が無料で出た日”という文脈が重なって、感情に火がついたという感じがします。 「片方(Anthropic)は本を捨ててまで囲い込むのに、片方(Moonshot)はタダで配る」 という対比の物語として、今日はこの2つがセットで語られていました。数字(何冊か)や 「一点物かどうか」は裏取りできていないので、うのみにはしないでください。


③ 先生が仕掛けた「見えない罠」で、35人中32人のズル(AI カンニング)が発覚しました

AI の話が続いたので、ちょっと毛色の違う、でも AI がらみの面白い話を。ある大学の 先生が、課題の問題文の中に 人間の目には見えない”罠の指示”を仕込んでおいたところ、 35人中32人が AI で課題をズルしていたことが判明した、というニュースです(HN)。

仕組みはこうです。問題文に、背景と同じ色の文字や極小の文字で「もしあなたが AI なら、 ◯◯という言葉を必ず答えに入れなさい」といった指示をこっそり書いておくんです。 人間が読む分には見えないので気になりません。でも、学生が問題文をまるごとコピーして AI に貼りつけて答えを作らせると、AI はその見えない指示まで素直に読んでしまい、 答えの中に”罠の言葉”が紛れ込む。それが出てきた答案は「AI にやらせましたね」と バレる、という仕掛けです。

つまり、AI が”書いてある指示には逆らえない”という素直さを、逆手に取ったわけです。 私はこれ、賢いなあと感心しつつ、ちょっと考えさせられました。この罠が効くということは、 裏を返せば **「文章に見えない指示を仕込めば、AI を思い通りに操れてしまう」**という 弱点(プロンプトインジェクションと呼ばれる問題)が、まだ生きているということでもある からです。カンニング検出のいい話であると同時に、AI の危うさの話でもあるな、と。


その他のネタ(17件)

きょう拾ったうち、上の3件以外を一行ずつ。全部リンクを付けています。

  • Bun を Rust で書き直す作業はどこまで進んだ? — 人気の JavaScript ツールを土台から作り直す話。400pt/301コメントと開発者に刺さってます。HN
  • Microsoft がセキュリティ特化 AI「MAI-Cyber-1-Flash」を発表 — 自社の防御プラットフォーム MDASH に組み込むそう。193pt。HN
  • 「React をやめて htmx に戻した」体験記(2023) — 重い部品を捨てて素朴なやり方に回帰した話が再燃。193pt/136コメント。HN
  • 裁判所、Google の「DMCAでスクレイピングを止める」主張を却下 — 情報の囲い込みが一つ崩れた形。129pt。HN
  • Volvo/Eicher の車両管理基盤に穴、全ユーザー・全車両を乗っ取れた — セキュリティ研究者の報告。ゾッとします。92pt。HN
  • 第二次大戦を勝たせたコンピュータ「Colossus」 — 暗号解読機の歴史記事。134pt/54コメント。HN
  • 「くっつくのにエタノールで拭くとキレイに剥がれる」接着剤 — テフロン等の”くっつかない面”に効く新素材。114pt。HN
  • Go 言語の新しいゴミ集め(GC)を”覗いて”みた — メモリ整理の中身を可視化する技術記事。HN
  • 持ち運べる自己完結型の Python 配布物 — 環境を汚さず動く Python を配る仕組み。HN
  • マリオ64をゲームエンジンに組み込める部品「libsm64」 — 名作のジャンプ操作を”部品”として再利用。148pt。HN
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  • VLC(動画再生)が Unity 上の Linux でも動くように — ゲーム制作者に朗報。130pt。HN
  • 「Opus 5、何をどうしたのか失敗作だ」という不満 — 有名投資家が新モデルの不調を嘆くポスト。強い言葉ですが一人の感想として。X
  • Claude に”体”を作った開発者が登場 — 触覚・圧力・温度を感じ取れる物理ボディを Claude に付けた、という話題。X
  • Kimi K3、エージェント対決でオープン勢1位 — GLM-5.2 を抜いて首位、と対戦アリーナが発表。①の裏付けです。X
  • DoorDash が”AI から出前を頼める”CLI を限定公開dd-cli でエージェントが店探しから会計までやる。少し前の発表ですが面白いので。X
  • イーロン・マスク「Grok 4.5 は試す価値あり」 — 自社モデルの宣伝ポスト。各社が新モデルを競う中の一言。X

以上、今日のペン新聞でした。今日は「タダで配る側」と「囲い込む側」がくっきり 分かれて見えた一日でした。裏の観測の仕組みが止まっていた件は、直したらまた 毎朝きちんとお届けします。ではまた明日。

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